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面接指導の意見書、保管しただけにしていませんか?勤務調整と実施後の確認

長時間労働者への医師の面接指導を終えた後、意見書を保存しただけになっていないでしょうか。面接で必要とされた配慮が、担当業務や勤務予定に反映されているかまで確認したいところです。

青森労働局が2026年10月9日に公表した監督指導結果では、対象468事業場のうち、124事業場で過重労働による健康障害防止措置の未実施が確認されています。長時間労働が疑われる事業場などを対象とした結果であり、すべての会社の割合を示すものではありません。

今回は、長時間労働者の面接後に会社が行う確認を整理します。休職からの復職判定や、高ストレス者の面接指導とは対象を分けて、自社の運用を点検してください。

面接の実施日だけでなく、医師の意見を確認する

厚生労働省の「こころの耳」は、面接指導では本人への指導だけでなく、会社が就業上の措置を適切に講じられるよう、医師が医学的な意見を述べることが重要だと説明しています。職場改善につなげる意見も期待されています。

人事担当者は、面接を手配する段階で、結果や意見を誰が受け取り、会社としての対応を誰が検討するかを決めておきましょう。「受診済み」のチェックだけでは、対応が必要な内容を見落とすおそれがあります。

意見の内容が、実際の仕事へどう当てはまるか分からない場合もあります。医学的な判断を会社だけで置き換えず、仕事内容や勤務予定を整理して医師に確認することが、次の対応を考える助けになります。

必要な対応を、勤務予定と担当業務へ落とし込む

社内での進め方としては、医師の意見を踏まえ、どの業務を減らすか、誰へ引き継ぐか、いつから勤務予定を変えるかを具体化します。一律に同じ配慮をするのではなく、その人の状況と職場の仕事に照らして検討します。

たとえば、残業を抑える方針にしても、当日の締切や担当件数が変わらなければ、現場で実行しにくいことがあります。上司へ注意を促すだけでなく、受注・分担・承認の流れのどこを変えるかまで話し合う方法が考えられます。

決めた内容は、勤務予定を変更する担当者にも、必要な範囲で伝えます。これは社内で実施漏れを防ぐための運用例であり、特定の書式や一律の日数を法令が求めているという意味ではありません。

決めた対応が、実際にできているかを見る

対応を決めたら、開始日、実施担当者、次に確認する時期を記録しておくと、途中で止まった処理を見つけやすくなります。意見書の受領、社内での判断、勤務への反映を別々の段階として追いましょう。

確認時には、勤務予定と実績の違い、担当業務の量、本人と上司が困っている点を確かめます。対応後も負担が変わらない場合は、実行できなかった理由を調べ、医師等と相談しながら対応を見直します。

たとえば、引継ぎ先が決まらず仕事が戻ってくるなら、単に本人へ早く帰るよう伝えるだけでは解決しません。人員配置や業務分担を見直すなど、会社として取り組む課題を整理します。

健康情報と、現場に必要な指示を分ける

面接結果には、詳しい健康情報が含まれることがあります。厚生労働省の通達は、健康の確保に必要な範囲で情報を収集し、収集目的の範囲内で適正に保管・使用することを定めています。

意見書を保管する場所と閲覧できる人を確認し、現場へは勤務調整に必要な内容を伝える運用にします。医師の報告書をそのまま部署全体へ回すのではなく、誰に何を伝える必要があるかを整理してください。

また、産業医を選任した事業者には、面接指導後に既に講じた措置や、これから講じようとする措置の内容を産業医へ提供することが求められます。措置を講じない場合は、その旨と理由も対象になるため、担当者間で情報の流れを確認しましょう。

自社で確認すること

  • 面接指導の実施記録と医師の意見書を照合し、受領後の検討が止まっているものや、担当者が決まっていないものがないか確認する。
  • 勤務予定表と実績、業務分担表を見て、決めた対応がいつから反映され、負担がどう変わったかを本人・上司と確かめる。
  • 意見書の保管先・閲覧権限と産業医への連絡方法を点検し、必要な情報が必要な相手へ届く運用にする。

医師の意見を勤務管理へつなぐ社内手順や、業務分担の見直しに迷ったときは、社会保険労務士法人エリクスへご相談ください。

参考資料(一次資料)

青森労働局「長時間労働が疑われる事業場に対する令和7年度の監督指導結果」(2026年10月9日)

https://jsite.mhlw.go.jp/aomori-roudoukyoku/newpage_01642.html

厚生労働省「長時間労働者、高ストレス者の面接指導について」

https://kokoro.mhlw.go.jp/mensetsushidou/

厚生労働省・基発0907第2号(第1の2(6)・(11)、第2)

https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc3656&dataType=1&pageNo=1

(確認日:2026年10月27日)

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