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振替休日と代休、勤怠で混同していませんか?事前の指定と割増賃金の確認

休ませることと、給与計算は分けて確認する

休日に出勤した社員に、別の日を休んでもらう。よくある対応ですが、それが「振替休日」なのか「代休」なのかによって、割増賃金の扱いは異なります。

休みを確保しただけで、給与計算まで済んだとは言えません。休日出勤の前に何を決め、本人へいつ知らせたのかを確認し、勤務予定と実績を給与担当者へ渡しましょう。

振替休日は、出勤前に休日を交換する

休日の振替は、あらかじめ休日だった日を労働日にし、代わりに別の労働日を休日にすることです。有効に振り替えれば、もともと休日だった日に勤務しても、その日の勤務は休日労働にはなりません。

厚生労働省の事業者向けQ&Aでは、就業規則に振替の規定を置くこと、振替先の休日を特定すること、必要な休日を確保すること、事前に本人へ通知することを条件として挙げています。

「休みは忙しくない日に取って」と伝えただけでは、振替先が決まっていません。実務では、勤務させる日と休みに変える日をセットで申請・承認し、本人への通知を記録に残す方法が考えられます。

勤怠システムに「振休」という区分があることと、実際に事前の振替をしたことは別です。申請名だけでなく、決定日と通知日、変更前後の勤務表を確認しましょう。

代休を与えても、休日労働の事実は残る

代休は、休日に勤務した後、その代償として別の労働日を休みにするものです。後から休ませても、前もって休日を交換したことにはなりません。

法定休日に勤務させたのであれば、その後に代休を与えても休日労働の割増賃金は必要です。「一日働いて一日休んだから差引きゼロ」と処理しないようにしましょう。

ここでいう法定休日は、労働基準法上確保すべき休日です。会社が設ける休日のすべてが法定休日になるわけではないため、週休二日制で土日とも休みという場合も、休日の区分を確かめる必要があります。

就業規則や勤務カレンダーを見て、出勤した日が法定休日なのか、それ以外の所定休日なのかを整理します。法定休日の勤務には35%以上の割増が必要ですが、法定外休日の勤務は、法定労働時間を超えるかなどによって判断が変わります。

事前に振り替えても、週の時間外労働に注意

振替の手続ができていても、割増賃金が一切不要になるとは限りません。勤務日と休みを別の週で交換すると、出勤を増やした週の実労働時間が法定労働時間を超えることがあります。

沖縄労働局の相談事例では、週の所定労働時間が40時間の会社で、土曜日を出勤日とし、翌週の水曜日を休みにする場合を取り上げています。出勤した週の実労働時間が週40時間を超えれば、その超えた分の時間外割増が必要だと説明しています。

給与担当者は、給与締め期間の合計だけでなく、週ごとの実労働時間を確認することが大切です。翌週の勤務が減ったからといって、前の週に発生した時間外労働を単純に相殺することはできません。

これは通常の法定労働時間を前提にした確認です。変形労働時間制などを採用している場合は、自社の制度と勤務予定に沿って別途確認しましょう。

申請・勤怠・給与を同じ情報でつなぐ

現場では休みを調整できていても、給与担当者が出勤日と代わりの休みしか知らなければ、振替か代休かを判別できません。申請時に、休日の区分、振替先、本人への通知日まで伝えるようにすると、確認の手戻りを減らせます。

すでに処理した分については、休日出勤の申請、勤務表、勤怠実績、給与明細を順に照合します。差が見つかったら、まず事前の指定があったか、週ごとの集計や割増区分が正しいかを確認します。

修正する場合は、勤怠区分を直すだけで終わらせず、給与への影響と本人への説明まで整理しましょう。後から申請日を変えて事前振替に見せるのではなく、実際の経緯に基づいて扱うことが重要です。

同じ行き違いが続くなら、現場の申請方法や給与担当者への引継ぎ項目を見直します。休日出勤を頼む上司と給与を計算する担当者が、同じ判断材料を持てる仕組みに整えましょう。

自社で確認すること

  • 就業規則と勤務カレンダーを照合し、法定休日の区分と休日振替の規定を確認する。
  • 休日出勤の申請と変更前後の勤務表を見て、振替先の指定日と本人への通知日を確認する。
  • 勤怠実績を週ごとに集計し、振替・代休の区分と給与明細の割増賃金に食い違いがないか確認する。

休日の調整方法と勤怠・給与の処理をそろえたい場合は、社会保険労務士法人エリクスへご相談ください。

参考資料(一次資料)

厚生労働省「振替休日と代休の違いを教えてください。」

https://www.startup-roudou.mhlw.go.jp/qa/zigyonushi/roudoujikan/q11.html

厚生労働省「振替休日と代休の違いは何か。」

https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/faq_kijyunhou_12.html

沖縄労働局「振替休日の措置をとれば割増賃金は必要ないか」

https://jsite.mhlw.go.jp/okinawa-roudoukyoku/yokuaru_goshitsumon/jigyounushi/question_1_kyujitu.html

厚生労働省「労働条件・職場環境に関するルール」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudouseisaku/chushoukigyou/joken_kankyou_rule.html

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