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外勤の労働時間、まず把握する仕組みをつくる。給与計算と業務改善はその先に

外勤社員の労働時間が分からないときは、まず把握する方法を整えましょう。「社外だから管理できない」として、事業場外みなし労働時間制で処理するところから始めないことが大切です。

始業・終業を記録し、仕事と休憩を確認できれば、勤怠や給与計算を見直す材料がそろいます。その先にあるのは、記録に表れた長時間労働の原因を確かめ、仕事の任せ方まで改善することです。

最初に、何が記録できていないかを確かめる

厚生労働省のガイドラインは、労働時間を適正に管理するため、労働日ごとの始業・終業時刻を確認・記録することを示しています。原則的な把握方法は、使用者による現認や、タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間などの客観的な記録を基にした確認です。

外勤では、まず直行した日の仕事の開始、訪問先での作業終了、その後の報告書作成を、今の勤怠記録で確認できるか見てください。会社に戻らない日の終業が記録されていないなら、外から記録できる仕組みや確認手順を検討します。

訪問予定表は実際に働いた時間そのものではありません。予定変更、追加作業、帰社後の仕事があった日は、本人の記録や上司への報告と照合し、実績を確かめましょう。

社員に新しい入力を増やす前に、既存の勤怠システムで外から記録できないか、作業報告に必要な時刻が含まれていないかも点検できます。何を使い、誰が確認するかを決めることが、把握を続けるための第一歩です。

記録があれば、仕事と休憩の実態を確認する

打刻やパソコンの記録が取れたら、その間をすべて労働時間と決めつけず、実際の仕事と休憩を確認してください。ガイドラインは、労働時間を使用者の指揮命令下に置かれている時間としています。

例えば、休憩として記録された時間でも、会社の指示で仕事を続けていれば、表示だけで判断できません。終業の記録後に報告書を作成していないかも、業務の流れと併せて確かめる必要があります。

やむを得ず自己申告で把握する場合は、社員と時間を管理する上司への説明が欠かせません。ガイドラインでは、必要に応じた実態調査と時間の補正、適正な申告を妨げる運用の見直しも示されています。

「残業はここまでしか申告できない」という上限で、実際の時間を削らないようにしましょう。残業を減らす目標と、働いた時間を正しく記録することは分けて扱います。

把握した時間を、給与計算に反映する

確認した労働時間は、勤怠の集計から給与計算までつなげます。上司が確認した記録と、給与担当者へ渡るデータが同じかを照合してください。

外勤日が一律に所定時間として集計される設定なら、実績を記録しても給与計算へ反映されないことがあります。システムの設定、締め日までの確認・修正手順、担当者間の引継ぎを一緒に点検しましょう。

これまでみなし制で処理していた会社では、制度の適用と実態の関係も確認します。厚労省のQ&Aは、事業場外で働くことに加え、労働時間を算定し難いことを適用要件としており、具体的な指揮監督の下で算定できる場合は適用されません。

みなし制を使う理由を探すより、把握できる時間を適切に管理する運用を先に整える、という順序です。なお、制度が適用される場合でも、帰社後の会議など社内で働いた時間は別途把握し、事業場外のみなし時間と合算します。

過去の勤怠と給与計算に食い違いが見つかった場合は、記録を保全して確認を進めてください。制度名や設定だけを変えて、過去の問題まで解消したことにはできません。

時間が見えたら、業務の任せ方を見直す

時間を記録するだけでは、長時間労働は減りません。遅くなった日の訪問件数、追加依頼、報告書作成、帰社後の会議を振り返り、どこで負担が増えたかを上司と社員で確かめましょう。

訪問予定の組み方を変える、報告書の重複入力を減らす、会議の時間を見直すなど、原因に応じた改善を検討できます。まず一つ変え、その後の記録で効果を確かめる進め方なら、現場も取り組みやすくなります。

会社が把握の仕組みを整え、上司が実態を確認し、給与担当者が正しい集計を使う。この流れをつくることが、外勤社員の勤怠管理を見直す出発点です。

自社で確認すること

  • 直行直帰日の勤怠と作業報告を照合し、始業・終業、休憩、報告書作成の実績を確認できるか点検する。
  • 上司が確認した勤怠と給与計算データを照合し、外勤日の一律集計や帰社後の仕事の集計漏れがないか確かめる。
  • 残業が多い日の訪問予定、追加依頼、会議記録を見比べ、業務配分や報告方法で変えられる箇所を整理する。

外勤社員の労働時間を把握する仕組みから、勤怠・給与計算、業務の見直しまで整えたい場合は、社会保険労務士法人エリクスへご相談ください。

参考資料(一次資料)

厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000149439.pdf

厚生労働省「外勤業務後の内勤業務も事業場外みなし労働が適用されますか?」

https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/qa/roudousya/roudoujikan/q10.html

(2026年10月7日確認)

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