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2027年度の派遣一般賃金が公表、賃金表と派遣料金をどう確認する?

2027年度に適用される派遣労働者の「一般賃金水準」が公表されました。派遣元が労使協定方式を採っている場合、次の協定更新日だけでなく、2027年4月1日から適用される水準に現在の賃金が届くかを確認する必要があります。

派遣先も、待遇の確保に必要な派遣料金について、更新時を含めて協議できるよう準備しておきたいところです。

何が新しく公表されたのか

厚生労働省は2026年8月、2027年度に適用する一般賃金の通達を公表しました。対象期間は2027年4月1日から2028年3月31日までです。

いま適用している年度の表をそのまま使い続けるのではなく、新しい通達の表と地域指数を確認します。

労使協定方式では、派遣労働者の賃金を、同じ地域で同種の業務に従事する一般労働者の平均的な賃金と同等以上にする必要があります。ただし、公表資料にある「全職業平均」を全員に一律に当てはめるわけではありません。

業務に合う職種、能力・経験、派遣就業場所に応じた地域を確認して比較します。

派遣元は、賃金表を人ごとに照合する

まず、現在の労使協定に使っている職種区分、能力・経験の段階、地域指数と、実際の賃金表を並べます。職種名が同じでも、担当する仕事が変わっていないか確認しましょう。

賃金比較では基本給だけを見ず、賞与や手当、通勤手当、退職金の扱いも、協定で採用した方法に沿って確認します。

2027年度の通達は、一般基本給・賞与等を職種別の基準値、能力・経験調整指数、地域指数から算出する方法を示しています。通勤手当の一般賃金相当額は、時給換算で67円です。

ただし、実費支給を選ぶ場合など、協定の方法によって確認の仕方が異なります。「67円を全員に加算すれば終わり」とは扱わないでください。

協定の有効期間が2027年4月1日をまたぐ場合も、その日に有効な協定の賃金額が新しい一般賃金と同等以上か確認します。厚生労働省のQ&Aは、賃金額を変える場合には協定を締結し直し、同等以上で賃金額を変えない場合は確認書を協定に添付する対応でもよいと示しています。

結果だけでなく、比較に使った年度・職種・地域と確認日を残しましょう。

賃金を下げる判断は別問題

新しい通達の数値が一部で下がったとしても、その分を機械的に派遣労働者の賃金や通勤手当から差し引くことは避けます。厚生労働省は、従前の協定額を基礎に公正な待遇について労使で十分に協議すること、引下げは労働条件の不利益変更になり得ることを示しています。

会社の賃金表、雇用契約、労使協定のどこを変えるのかによって検討が異なります。新水準との比較結果と、待遇をどう決めたかを分けて記録すると、説明しやすくなります。

派遣先は料金協議の準備をする

派遣先にとっても、これは派遣元だけの書類作業ではありません。厚生労働省は、派遣元が公正な待遇を確保できるよう、派遣先には派遣料金への配慮義務があり、契約の締結時だけでなく更新時などにも求められると説明しています。

派遣元からの料金交渉に一切応じないことは、法の趣旨に沿わないとされています。

派遣元は新しい賃金水準の確認結果を基に必要な料金を説明し、派遣先は契約更新の時期や予算を踏まえて協議する。両者で結論が出るまでの経緯も残しておくと、賃金の検討と契約更新を切り離さずに進められます。

派遣元・派遣先の双方が、2027年4月の適用前に準備できることです。

自社で確認すること

  • 労使協定と賃金表の職種・経験区分・適用地域を、新しい通達の表と照合する
  • 2027年4月1日をまたぐ協定の有効期間と、賃金比較の結果・確認日を記録する
  • 派遣契約の更新日と料金協議の担当者を確認し、賃金見直しの資料を共有する

職種の選び方や賃金・料金への反映を自社だけで判断しにくい場合は、社会保険労務士法人エリクスへご相談ください。

参考資料(一次資料)

厚生労働省「派遣労働者の同一労働同一賃金について」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000077386_00001.html

厚生労働省「令和9年度の一般賃金等について(職業安定局長通達)」

https://www.mhlw.go.jp/content/001743624.pdf

厚生労働省「令和9年度一般賃金通達の見直しに関するQ&A」

https://www.mhlw.go.jp/content/001743718.pdf

厚生労働省「派遣元・派遣先の連携・協力をお願いします」

https://www.mhlw.go.jp/content/001743856.pdf

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