外国人社員の一時帰国、休暇・再入国期限・連絡方法を確認していますか
外国人社員から一時帰国の相談があったときは、休暇の日数だけでなく、日本に戻る予定日と出勤再開日を分けて確認しましょう。出国前に連絡方法まで決めておくことをお勧めします。
会社が休暇を認めることと、本人が現在の在留資格で再入国できることは別の確認事項です。この記事では、在留カードを持つ中長期在留者の一時帰国を中心に、会社側で準備したいことを整理します。
休暇の扱いを出国前にそろえる
厚生労働省の外国人雇用管理指針は、一時帰国を希望する外国人労働者について、休暇取得への配慮など必要な援助に努めるよう示しています。特定技能の在留資格については、必要な休暇を取得させることが雇用契約の基準とされている点にも注意が必要です。
実務では、まず就業規則の休暇条項、本人の年次有給休暇の残日数、希望する日程を並べて確認するとよいでしょう。どの日を年休とし、それ以外の日をどう扱うかは、適用される法令と自社の規程に照らして整理します。
「帰国中は全部欠勤」「外国人だから一律に特別な有給休暇」と先に決めず、本人の希望と使える制度を確かめてください。休暇の種類や賃金の扱いに不明点があれば、出国前に確認を済ませておきたいところです。
本人への説明は、短い文や必要に応じた翻訳を使い、日付を書いて共有することをお勧めします。「来月の初めに戻る」といった表現だけでは、会社と本人が違う日を想定する余地が残ります。
日本に戻る期限は、休暇の終了日とは別
みなし再入国許可は、有効な旅券と在留カードを持つ方などが、原則として出国から1年以内に再入国する場合に利用する制度です。ただし、在留期限が先に来る場合は、その期限内に再入国する必要があります。
「1年以内なら大丈夫」と考えず、本人と在留期限、日本への帰着予定日を照合してください。会社が認めた休暇の期間に余裕があっても、それだけで再入国できる期限が延びるわけではありません。
また、みなし再入国許可の有効期間は海外で延長できません。通常の再入国許可とは扱いが異なるため、長期の帰国を予定している場合や在留期限が近い場合は、出国前に本人から出入国在留管理庁へ確認するよう案内しましょう。
この説明は特別永住者の扱いや個別の適用除外まで網羅するものではありません。会社だけで再入国の可否を判断せず、本人の在留資格や出国方法に応じた確認が必要です。
予定が変わったときの連絡先を決める
実務上は、休暇申請の記録に、出国予定日、日本への帰着予定日、出勤再開日を分けて残す方法が考えられます。日本に到着する日と、実際に勤務へ戻る日を同じ欄で扱わないのがポイントです。
併せて、予定が変わったときに連絡する会社側の担当者と、海外でも使える連絡方法を本人と決めておきましょう。これは日々の行動を報告させるためではなく、帰着の遅れなど勤務に関わる変更を共有するための準備です。
担当者が不在の日の連絡先も伝えておけば、本人が誰に知らせればよいか迷いにくくなります。会社側も、受けた連絡と変更後の予定を記録しておくと、休暇や勤怠の扱いを確認しやすくなります。
なお、厚生労働省の指針は、事業主が旅券や在留カードを保管しないよう示しています。日程や期限を確認するために、会社が原本を預かり続ける運用にはしないでください。
自社で確認すること
- 就業規則の休暇条項と年休残日数を確認し、希望する日程の休暇区分・賃金の扱いを整理する。
- 本人の在留期限と日本への帰着予定日を照合し、不明点は出国前に入管へ確認する。
- 休暇申請の記録に出勤再開日を残し、予定変更時の担当者と連絡方法を本人と共有する。
一時帰国に伴う休暇や勤怠の扱いを、自社の規程に沿って整理したい場合は、社会保険労務士法人エリクスへご相談ください。
参考資料(一次資料)
厚生労働省「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」(千葉労働局掲載)
https://jsite.mhlw.go.jp/chiba-roudoukyoku/content/contents/000738007.pdf
在モロッコ日本国大使館「日本に在留する外国人の皆様への新しい在留管理制度に関するお知らせ」(再入国許可の説明)
https://www.ma.emb-japan.go.jp/itpr_ja/00_000395.html
在フィンランド日本国大使館「再入国許可の有効期間延長手続き」
