採用面接で何を聞く?会社が見直したい質問票と評価基準
採用面接の前に、質問票と評価表を見直しましょう。家族や出身地についての何気ない質問も、本人の適性・能力とは関係のない情報を集めることにつながります。
厚生労働省は、応募者に広く門戸を開き、本人の適性・能力に基づいて採用を判断することを、公正な採用選考の基本としています。会社としては、募集する仕事に必要な力と、それを確かめる質問を先にそろえることが出発点です。
雑談でも、家族や出身地を尋ねない
厚生労働省は、本籍・出生地、家族の職業や収入、家庭環境などを把握することについて、就職差別につながるおそれがあると示しています。宗教や支持政党など、思想・信条に関わる事項にも注意が必要です。
「採否には使わない」「緊張をほぐすため」という意図であっても、安心とはいえません。同省のQ&Aでは、家族の事情に立ち入る質問で応募者が動揺し、面接で実力を発揮できなくなる可能性を説明しています。
そこで、面接の導入も担当者任せにせず、会社や当日の流れを説明してから職務に関する質問へ進む方法が考えられます。これは実務上の進め方の一例であり、決まった挨拶文の使用を求める制度ではありません。
質問と評価基準を一緒に決める
厚生労働省の「採用選考の具体的な方法」では、仕事に必要な適性・能力を評価するための質問を事前に決め、評価基準もあらかじめ定めるよう案内しています。複数の面接担当者がいる場合は、対応について意思統一を図ることも大切です。
実務では、質問票の横に「この質問で何を確かめるか」を書き添えると、仕事との関係を点検しやすくなります。たとえば事務職なら、書類の確認や期限の管理など、実際に任せる業務をもとに項目を組み立てます。
経験を尋ねる際も、家庭事情を推測して働き方を判断するのではなく、本人が行った作業や工夫を確認する質問にします。経験の有無だけで足切りする必要があるかも含め、募集する職務に照らして検討しましょう。
回答を聞いた後に担当者ごとに物差しを変えてしまうと、事前に作った評価表が生かせません。面接前の短い打合せで、確認する項目と評価の考え方を共有しておくとよいでしょう。
応募フォームも同じ観点で見直す
面接だけ直しても、自社の応募フォームに不要な記入欄が残っていれば、そこで情報を集めてしまいます。厚生労働省は、応募用紙やエントリーシート、作文などを通じた把握も、配慮すべき対象に含めています。
紙の履歴書に加え、採用サイトの入力欄や、面接前に送るアンケートを確認してください。以前から使っているという理由だけで残さず、各項目が職務上の適性・能力の判断に必要かを点検します。
また、採用選考時の健康診断や既往歴の確認について、厚生労働省は合理的・客観的な必要性を慎重に検討するよう求めています。必要な場合も、検査内容と必要性について事前に十分説明するという案内であり、一律に健康情報を集めてよいという意味ではありません。
次の面接までに、使う資料をそろえる
まず現在使っている質問票、評価表、応募フォームを並べ、職務との関係を説明できない項目を洗い出してみましょう。ここで示した点検は、会社が採用の運用を整理するための提案です。
見直した資料は、実際に面接する管理職や現場責任者にも共有します。人事担当者だけが理解して終わらず、面接当日に使う版をそろえるところまで確認してください。
自社で確認すること
- 面接質問票に、家族・出生地・思想信条など、職務上の適性や能力と関係のない質問がないか確認する。
- 評価表の項目が募集職務に対応しているか確認し、面接担当者間で評価基準を共有する。
- 応募フォームと事前アンケートの記入欄を点検し、健康情報を求める場合は必要性と説明内容を確認する。
自社の募集職務に合う質問票や評価基準を整えたい場合は、社会保険労務士法人エリクスへご相談ください。
参考資料(一次資料)
厚生労働省「採用選考時に配慮すべき事項」
https://kouseisaiyou.mhlw.go.jp/consider.html
厚生労働省「採用選考の具体的な方法」
https://kouseisaiyou.mhlw.go.jp/methods.html
厚生労働省「よくある質問」
