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派遣の労使協定、「更新月だけ」の確認で大丈夫?見落としやすい3点

派遣元事業者で労使協定方式を採っている場合、年度替わりや協定の満了月だけを確認のタイミングにしていないでしょうか。

労使協定方式は、派遣元が過半数労働組合または過半数代表者と一定の要件を満たす協定を結び、その協定に基づいて派遣労働者の待遇を決める仕組みです。賃金については、同種の業務に同一地域で従事する一般労働者の平均賃金と同等以上となるように決定し、昇給規程など賃金改善の仕組みも必要とされています。

ここで大切なのは、「協定の有効期間中だから、次の更新まで何もしなくてよい」とは限らない点です。厚生労働省は、一般賃金額が変わった場合には、有効期間中であっても、協定に定めた派遣労働者の賃金額が一般賃金と同等以上かを確認するよう示しています。

1. いま有効な協定を一覧にする

協定ごとの有効期間、対象となる派遣労働者の範囲、対象業務、適用する地域、賃金の決定方法、担当者を一覧にします。複数の営業所や職種があると、「協定はあるが、どの派遣スタッフにどの基準を当てているか」が担当者しか分からない状態になりがちです。

更新日だけでなく、一般賃金の確認日と、確認に使った資料の保管場所も同じ表に入れておくと、引継ぎや監査対応で説明しやすくなります。協定書のファイル名だけでなく、実際に適用している賃金テーブルの版数も紐付けましょう。

協定上の職種名と給与計算の職種コードが違う場合は、その対応関係を別紙にしておくと、後から比較の根拠を説明しやすくなります。

2. 一般賃金額が変わったときは、協定期間中でも比較する

労使協定方式では、職種別の平均賃金や地域指数などを使って一般賃金を確認します。古いファイルを前年のフォルダからコピーして済ませるのではなく、今回適用する資料の年度・職種・地域を確認しましょう。

確認の結果、派遣労働者の賃金が一般賃金と同等以上であれば、同等以上であることを確認した書面を協定に添付する扱いが示されています。一方、同等以上でない場合は、賃金の決定方法を変更するために協定を締結し直す必要があります。

「確認だけで済むケース」と「協定の見直しが必要なケース」を混同しないことが重要です。

比較では、月給・時給といった支給形態だけで判断せず、協定で採用している計算方法に沿って確認します。確認をした日、使用した公表資料、計算担当者、差額が出た場合の対応方針を残しておけば、翌年の作業も大幅に軽くなります。

3. 公表資料の確認と給与への反映を分けて管理する

確認表には「公表資料を確認」「職種・地域を選定」「賃金を比較」「対応方針を決定」「確認書または改定協定を保存」「対象者へ反映」の6欄を置くと便利です。各欄に担当者と完了日を入れれば、問題が起きたときにも途中経過を追えます。

資料を確認した担当者、比較計算をした担当者、給与へ反映する担当者が別でも、同じ確認表を引き継げば、確認しただけで終わることを防げます。派遣先から受け取る情報や、派遣スタッフへの説明資料も、協定・給与資料と同じ確認表で管理すると、担当者間の確認が早くなります。

特に年度替わりは、資料の公表、協定の見直し、給与反映の締切が近づきやすいため、逆算した日程を先に決めておくと安心です。令和8年10月には、派遣労働者の同一労働同一賃金に関する改正も予定されています。

今回の確認を単発で終わらせず、協定・賃金・説明資料を一続きで管理する機会にしてみてください。

派遣の労使協定方式は、協定書だけを整えれば終わるものではありません。自社の職種区分や地域区分、賃金テーブルに合わせた確認表の作り方に迷う場合は、社会保険労務士法人エリクスへご相談ください。

参考資料(一次資料)

  • 厚生労働省「派遣労働者の同一労働同一賃金について」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000077386_00001.html

  • 厚生労働省「労使協定方式に関するQ&A(集約版)」

https://www.mhlw.go.jp/content/001046173.pdf

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