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時間単位の年次有給休暇制度の導入 ~柔軟な休暇取得へ~

 通院やお子さんの学校行事への参加、家族の介護など、働く人が「少しだけ時間を取りたい」場面は少なくありません。最近では共働き世帯の増加もあり、仕事とプライベートを両立しやすい環境づくりが求められています。こうしたニーズに応える制度のひとつが、「時間単位の年次有給休暇制度」です。
通常、年次有給休暇(年休)は1日単位で取得しますが労使協定を結ぶことで、年5日の範囲内で時間単位の取得が可能になります。
ここでは、導入のポイントをわかりやすく整理していきます。


1.就業規則への記載が必要

 時間単位の年次有給休暇制度を導入する際は、就業規則にその旨を明記する必要があります。「何時間を1日分とするか」「どのように取得できるか」といったルールを明確にしておきましょう。


2.労使協定の締結が必須

 制度を実際に運用するためには、労働者の過半数を代表する労働組合または代表者との間で書面による労使協定を締結することが必要です。なお、この労使協定は労働基準監督署への届け出は不要です。


3.労使協定で定めるべき主な内容

労使協定では、次の項目を必ず定める必要があります。

① 対象者の範囲

 原則として、すべての労働者が対象になります。一部の人を除外する場合は、事業の正常な運営を妨げるおそれがある場合に限られます。「育児中の人だけ」など、取得目的で範囲を限定することはできません。

② 取得できる日数

時間単位年休は年5日以内の範囲で定めます。

③ 1日分の時間数

 1日分の年次有給休暇を何時間分の時間単位年休に換算するかを決めます。
端数が出る場合は、1時間単位に切り上げましょう。
(例)所定労働時間が1日7時間30分の場合 → 8時間とする。

④ 単位となる時間数

 1時間単位だけでなく、2時間単位などに設定することも可能です。
ただし、1日の所定労働時間を超えない範囲で定めましょう。


4.注意点

 平成31年4月の法改正により、年次有給休暇が10日以上付与される労働者には、
年5日を確実に取得させることが使用者に義務づけられています。

ただし、時間単位年休として取得した分は、この「5日」には含めることができません。つまり、「時間単位の年休」と「年5日確実取得義務」は別管理が必要になります。


◎まとめ

 時間単位の年次有給休暇は、人のライフスタイルに合わせた柔軟な働き方を実現できる制度です。導入にあたっては、就業規則や労使協定の整備など、押さえるべきポイントがいくつかあります。

 制度の導入を検討されている事業主の皆さま、ぜひ一度、制度設計や運用方法についてご相談ください。柔軟で働きやすい職場づくりの第一歩として、社会保険労務士法人エリクスまでお気軽にお問い合わせください。

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